パーソナリティの発達~人について知ろう~
目次
パーソナリティの発達段階
人生のそれぞれのステージ
*↑こちらの図はセミナーなどでご自由に使用されて構いません(イラストはフリー素材のものになります)
これまでに様々な分野の学者が、パーソナリティの発達段階について研究・発表をしています。
人には年齢別に発達課題があり、それらをクリアしながら成長していくと考えられています。
上記の図の説明を簡単に説明していきたいと思います。
乳児期
1〜5歳ごろ。
誕生により初めて外界と接触する時期で、母親の愛情によって自分を取り巻く環境が安全である事を知る時期です。
この時期に信頼感を得る事が、その後の社会性に大きく影響すると考えられています。
もし乳児期期に愛情関係が不成立だったり社会性が未発達だと、対人関係に問題を持つ可能性が高くなると考えられています。
児童期
6、7歳ごろ。
外界へ関心を持つようになり、自発性の育くまれる時期です。
仲間意識が芽生え、個性もはっきりとしてきます。
ギャングエイジと言われる時期で、この時期を経験することで自分の役割や責任・協力などを覚えます。
昔は近所の多様な年齢の子供たちが集まって遊ぶのが普通でしたが、昨今では塾や習い事、テレビゲームなどでギャングエイジを経験することなく育つ子供も増えています。
その為、社会への適応に必要な前述の能力が欠如する可能性も出てきます。
青年期
体と心の成長がアンバランスな時期です。
「自分とは何か、どうあるべきか」を模索する時期で、自我同一性の獲得が課題となります。
(自我同一性とは、自分が何者であるかについて他人とは区別する概念をいう)
この時期は、時間をかけて様々な役割や価値を試行錯誤しながら取捨選択していく事が課題となります。
また「モラトリアム=心理・社会的猶予期間」と呼ばれ、この時期に上手く自己を乗り越え自我同一性を獲得出来ないと、自分が何者なのか分からないといった混乱の状態を招くこともあります。
成人前期
現実生活の中で生活していく時期です。(就業、結婚等)
自我同一性を成し得たパートナー同士が家族となり、親密性を獲得していく時期です。
ここで他人に分け与えるの能力や相手の気持ちを感じ取る能力を獲得出来ないと、相手を支配したり逆に服従したりといった歪んだ対人関係を作ってしまったり、強い孤独感に苛まれたりするようになります。
成人後期(中年期)
成人前期で親密性を獲得できると、子供を産み育てたりなどの、次世代を育てる時期に入ります。
社会での中心的役割を果たす時期でもあります。
この時期に親密性の経験が出来ないと、自分の満足が中心を占める人生となり、人間関係の貧窮化を招く可能性が高くなります。
またこの40、50代(女性は35ぐらいから)の時期をユングは人生の午後と表現しました。
この年代の80%近くが「人生の危機」を迎えます。
漠然とした人生への幻滅感、停滞感、焦燥感を感じる時期です。
老人期へ向けて人生の棚卸しの作業が課題となります。
ここで人生を振り返り、やり残してきた事や、これからの生き方についてあらためて考える事が大切になってきます。
人生前半の価値観の転換が必要なのです。
老年期
子供が独立し、また親や上の世代との別れの時期です。
定年退職を迎え、体力は衰え、孤立や絶望を感じる時期でもあります。
ここでは新たな生き方、また自分の生きてきた証を示す事が課題となるのです。
この時期は特に安定・承認・愛情・生存の欲求が高まるといわれ、特徴としては
自己中心的・保守的・愚痴と自慢などがあげられ、性格が変化し、頑固さが増すとされています。
そうならない為には、この時期に重要な「成熟した人格の6基準」が参考になります。
1、他者との暖かい関係
2、情緒の安定
3、現実の認知と技能
4、自己を客観視する
5、人生観の確立
6、自我の拡張