傾聴(聴く力)~コミュニケーション技法~
目次
傾聴とは
傾聴とはカウンセリングの技法の一つです。
相手の話をただ「聞く」のではなく、相手の立場や価値観に立って話を聴くことをいいます。
聞く(hear)は「音や声を耳で感じる」という意味ですが、聴く(Listen)は「聞いた内容を理解して
それに応じる」という意味になります。
傾聴の基本は「共感」
傾聴は「共感」が基本となります。
相手を評価せず、ありのまま受け入れるようにしましょう。
1)指示・先導、2)非難・攻撃、3)評価・説教、4)尋問調の質問、5)安易な保証や激励、
6)レッテル貼りや診断、7)過剰な解釈、8)無理な結論などはしないように心掛けます。
共感のコツは、すべての話には内容と感情があるということを踏まえて対応することです。
例えば、相手が「友人と喧嘩をした」と内容の話をしたとします。
それに対する共感としては「喧嘩したのね」と、事実についてだけ確認をします。
また「腹立たしくて、悲しくて…」と、感情についての話があった場合、
「それはとても辛いね」というように、その感情に対して自分も何とか理解しようとしていることを伝えるのです。
傾聴のトレーニング
話のテーマは「休日の過ごし方」や「私の趣味」など話しやすいものにします。
一方の話が終わった後、役割を交代します。
準備:受講生を2人1組に分け、「話す人」と「聞く人」を決める
① 聞く人は、相手の話を無表情に聞く(つまらなそうに、そっぽを向くなど)
↓
② 次に相手のあごの辺りを見ながらうなづいたりして、いつも通りに話を聞く
↓
③ 次はうなづいたり、聞き返したり「そうなんですね」「なるほど」など共感するような言葉をはさんで真剣に相手の話を聴く
①~③を交代してやってみる
傾聴トレーニングのポイント
このワークは「話を聞く人が主役」です。
私達は日頃の業務や生活の中で、いがいに人の話を聞くことができていません。
相手が話をしている時、頭の中では別の事を考えていたり、話の途中で割って入ったり
自分の意見を言ってみたりする事がよくあります。
聞く側がそのような対応だと、話す側は自分の意見を言いにくくなります。
逆に聞く側が相手の話を傾聴すると、話す側は安心して自分の意見を言えます。
つまり、聞く側の対応次第で話す側は意見を言いやすくも、言いにくくもなるのです。
そのことに気付いた上でグループワークに取り組むと、情報交換がしやすくなります。
「傾聴」の姿勢で聴くときの注意点
聞く側は話す側が話しやすいように「笑顔、うなずき、共感」を意識して下さい。
決してよそ見をしたり、しかめっ面をしたりしてはいけません。相手の話は笑顔で聞きましょう。
話の途中で割って入ったり、否定、批判をしたりしてはいけません。
ちゃんと最後まで聞きましょう。
傾聴トレーニングの振り返り
この傾聴トレーニングの終わりには、参加者の感想を発表する時間を設け
①、②、③のそれぞれのパターンでの会話で、どう感じたかを振り返ってもらうと良いかも知れません。
それまで自分がいかに人の話を「聴いて」いなかったかが実感できるワークになったかと思います。
会社内でのコミュニケーション研修など、特に上司の立場(管理職)の方への研修に
取り入れて頂きたいワークの一つです。
進行役の方は、ワーク中の会話をする時間をストップウォッチなどで区切ることも忘れないで
下さい。(延々と会話が続いてしまう場合もあるので…)
プライベートな相手の場合には話し手の「思いを引き出す言葉」を投げ掛けて、話しやすくする「励まし法」と言われる傾聴技法も良いかもしれません☆
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