出産したらもらえるお金~出産育児一時金と出産手当金~
目次
出産したらもらえる手当には何があるの?
「出産育児一時金」と「出産手当金」という2つの給付金が貰えます。
出産育児一時金とは
協会けんぽの健康保険に加入している人の説明になります☆
誰がもらえるの?
・妊娠4カ月(85日)以上で出産した従業員(被保険者といいます)やその被扶養者
・正常分娩だけでなく死産・早産・流産でも支給される
・退職後でも支給されるが、退職翌日から6カ月以内の出産+退職日まで継続した1年以上の健康保険加入期間がある人のみ
支給額
・一児につき42万円(産科医療保障制度に未加入の医療機関は40万4千円)
・組合の健康保険加入者には付加金が支給される場合もあります
提出書類
・健康保険(被保険者・被扶養者)出産育児一時金申請書→協会けんぽor健保組合
・出産した日の翌日から2年以内に提出
・病院で直接払い制度を利用する場合には病院と代理契約(合意文書)を交わす→組合の付加金がある場合には別途請求する必要がある
受取り方法は3通り
・受け取り方法が何通りかあります
①直接支払制度
病院が代わりに一時金の請求と受取を行い、出産費用と差し引きしてくれる
出産費用>出産育児一時金…不足分を病院窓口で支払う・本人の協会けんぽへの申請手続きはなし・病院と代理契約を結ぶ
出産費用<出産育児一時金…2通りの方法がある
その通知が届く前①と届いた後②と2通りあるのです☆
① 保険者からの通知前に申請する場合には「内払申請書」を協会けんぽへ提出(添付書類あり)
② 保険者より通知があった後に申請する場合には「差額申請書」を協会けんぽへ提出
制度の説明と用紙ダウンロード→協会けんぽHP
②受取代理制度・・・自分で出産育児一時金(受取代理用)の申請を協会けんぽへ行う(参考HP)
出産費用>出産育児一時金…不足分を病院窓口で支払う
出産費用<出産育児一時金…申請時に記入した指定口座に差額が振り込まれる
通常出産費用が出産育児一時金より低い事は稀かと思いますが、産院や出産時の様子によって違いますので、気になる方は産院
に出産費用がどれぐらいになりそうなのか確認してみてください!
③事後申請・・・出産費用をいったん病院へ全額支払い、出産後に出産育児一時金申請を自分で協会けんぽへ行う
後日振込支給される
海外出産時はこの方法のみ (参考HP)
退職後も貰えるの?
・妊娠4ヵ月(85日)以上の出産
・資格喪失日の前日(退職日)までに継続して1年以上被保険者期間(任意継続被保険者期間は除く)がある
・資格喪失後(退職日の翌日)から6ヵ月以内の出産である
のすべての条件を満たしていれば一時金は退職後でももらえる
「健康保険被保険者資格喪失等証明書」を協会けんぽから発行してもらい、医療機関等へ提示する
この退職後の一時金申請をするのか、扶養に入った先の家族の出産一時金を申請するのかを選択します☆
国民健康保険の場合も同じで、二重に貰えることはありません!
なお、国民健康保険の方の出産一時金の申請窓口は市区役所になりますので、お住まいの市区役所にて手続きの確認をして下さい!(直接払い制度は国民健康保険でも同じです)
出産育児一時金の時効
・出産日の翌日から2年で消滅…時効起算日(出産翌日)から2年が経つとこの給付は受けられなくなる
出産手当金
こちらは被扶養者には出ません。働くママのみの制度です☆
誰がもらえるの?
・産前産後期間中に会社を休んだ被保険者でその間に給与の出なかった人
・給与や有給手当が出た場合には、出産手当金を下回っていれば不足分は出る
・社会保険の制度なので、国民健康保険の方に出産手当金制度はない(出産一時金はある)
支給額
・(支給開始日以前の12カ月の報酬月額の平均÷30日)×2/3=1日分
・出産日以前42日(多胎妊娠の場合98日)~出産日後56日のうち、仕事をしていない+給与なしの日数分
(予定日=出産日なら98日分がもらえる)※98日は歴日(カレンダー通りで日祭日も含む日数)
*計算方法…標準報酬月額表で自分の月額の平均を出し、30日で割る。180,000円なら6,000円。
6,000円×2/3=4,000円が1日分。4,000円×98日分=392,000円。
提出書類
・健康保険出産手当支給申請書→協会けんぽor健保組合へ(会社を休んだ日の翌日から2年以内)
原則本人申請だが、会社が申請してくれる場合が多い
添付書類【初回申請時】
・申請期間の初日に属する月まで現事業所での12ヵ月の資格期間がない場合は別添を付ける
・初回は仕事に就けなかった期間とその期間前1か月分の出勤簿(タイムカード)と賃金台帳コピー
①本人が病院で医師記入欄に記入・証明をもらう(証明料金かかります)
②勤務先で勤務状況と賃金支払い状況を記入・会社押印をもらう → 協会けんぽへ提出
記入例 協会けんぽHP
受け取り方は2通り
① 産後休業が終わったらまとめて1回で提出 → 最短2~3週間で指定口座に振り込まれる
退院までに証明してもらえない場合もありますが、早めに貰いたいと伝えます。
② 複数回に分けて提出 → それぞれ最短2~3週間で振込み
出産前の場合…医師の記入欄は「①出産者氏名」「②出産予定年月日」と「③証明欄」だけを病院で記入してもらう
・会社は賃金締切日毎の証明になる場合が多いので、最短はおそらく「産前休業に入った日~会社の賃金締切日」まで
(証明してくれる区切りがどこなのかは会社によるので確認)
出産後には医師の記入欄はフルに全部の項目を証明してもらう
(出産日の証明を受けたら、以後の申請は会社証明だけでOK)
この場合には産前休業に入ったらすぐに出産手当金申請書の証明を病院にお願い致して下さいね☆
ただ、病院の証明代金が毎回数千円かかるのでご注意ください!
退職後ももらえるの?(資格喪失後の継続給付)
次の2点を満たしている場合は退職後も出産手当金の支給を受けることができる
①被保険者の資格を喪失をした日の前日(退職日)までに継続して1年以上の被保険者期間(健康保険任意継続の被保険者期間を除く)がある
②資格喪失時に出産手当金を受けているか、または受ける条件を満たしている
ただし退職日に出勤したときは、継続給付を受ける条件を満たさないために資格喪失後(退職日の翌日)以降の出産手当金はもらえない
※ 図は協会けんぽ資料
出産日がズレたら?
・出産日の当日は産前に入る
・出産日が前にズレた場合(例:11/1)…産前は9/30~11/1(33日)で産後11/2~12/27(56日)=合計89日分支給※
・出産日が後にズレた場合(例:11/20)…産前は9/30~11/20(52日)で産後は11/21~1/15(56日)=合計108日分支給
↓こちらの図はご自由にお使い下さい。
出産日が予定日より前になった場合の産前申請の出し直し
上の※で説明した「実際の出産が予定日より前」だった場合、「産前分は42日-早まった数+産後56日」で産前分が
少なくなると説明しました。
しかし、もし最初の産前休業9/30より前に体調が悪くすでに休みに入っていた場合には、
無給であれば9/21からの産前分42日はフルに支給される事になります☆
この場合には、最初の申請書を9/21からの日付で再提出します。
そうすると、すでに貰っている部分は重複期間として支給済み扱いとして処理され
貰っていない9日分が支給される事となります☆
出産日が確定する前の申請は手続きも煩雑になり病院証明料金もかさみますので、必ず管轄の協会けんぽ支部や健康保険組合へ確認してください☆
帝王切開の日が産前休業前に決まっていた場合
この場合、「帝王切開の日」と「自然分娩の予定日」の2つのどちらを出産予定日として記入するか迷うと思います。
特に帝王切開日が自然分娩日より前の場合です!下記表をご覧ください☆
例えば上記の図で説明したいと思います。(前項の説明と重複します)
産休に入る前に帝王切開の日が11/1にすでに決まっていたとします。
自然分娩予定日の11/10を基準にすると、産休に入るのは9/30。
9/29日まで通常はお給料が出ます。出産手当金を貰う条件には「お給料が出ない日」です。
帝王切開の11/1を基準にすると産休は9/21日から始まるはずが、9/29まではお給料が出ているので
9日分は出産手当金が出ません。
もし、基準日を最初から11/1にして9/21から産休に入っていれば、まるまる産前42日分を貰う事が出来ます。
これは会社がどの時点から産休に入るかを許可してくれるかにもよります。
公休日の出産手当分は出るの?(産前産後休業期間中に勤務していてた場合)
・公休日については、「その日に仕事をしていない+報酬無し」ならば公休日の分は支給される
注意点:月給者の場合、公休日が報酬の支払い対象になっているかどうかで決まる
① 欠勤控除が無い場合…報酬を受けているので公休日の出産手当金は支給されない
② 欠勤控除がある場合…報酬は受けていないので公休日の出産手当金の支給される
時給や日給の人は働いた分の日数しか賃金が出ないので、公休日に出産手当金は支給されますが
月給の人は、自分の会社が①か②のどちらの方法を取っているかで決まりますので、公休日分の出産手当金が申請出来るかどうか会社に確認して下さい☆
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